こんにちは、川浪です。
アレクサンダーテクニークのレッスンをしていると、呼吸についての悩みをよく聞きます。
息が苦しい、息を止めてしまう、楽に息を吸えるようになりたい、正しく呼吸できているかわからない、などなど。
歌や管楽器の方はもちろんですが、それ以外の楽器でも、音楽を演奏する上で、呼吸はとても重要です。
演奏するときに力が入ってしまう、とか、本番で緊張してしまう、という方は、呼吸も止めていることが多いです。
また、音楽的な表現を考える上でも、呼吸のことは重要です。
というわけで、今回は、アレクサンダーテクニークの観点から、呼吸について考えたいと思います。
この記事を書いている川浪は、2011年からレッスンを行っている、現役のアレクサンダーテクニーク講師。
呼吸を良くしたい、というあなたに、アレクサンダーテクニークの観点から、呼吸を改善する方法をお伝えします。
よくある呼吸法は、なぜ上手くいかないのか?
「よくある呼吸法を試したけど、上手くいかなかった」という方は、とても多いです。
よくある呼吸法は、なぜ上手くいかないのでしょうか?
理由は次の2つです。
- 解剖学に間違っている
- やる方しかアプローチしていない
順番に解説します。
よくある呼吸法は解剖学的に間違っている
呼吸について、巷でよく言われていることは、解剖学的に間違っていることが多いです。
よくある例は、
- 胸式呼吸はダメ
- 肩は下げましょう
- お腹に息を入れましょう
などなど。
こういうことを、偉い先生が言っていると、なんとなくそんなものか、と納得してしまいそうになりますが、気をつけてください。
その指導に、解剖学的な根拠はあるのでしょうか?
ほとんどの場合、解剖学的な根拠はありません。
思いつき、感覚、あるいは自分も同じように指導されたから、という程度のものです。
言われた通り試しても上手くいかない、という場合は、まず、解剖学的な根拠はあるのか?ということを疑ってみてください。
解剖学的に正しい呼吸については、別記事で解説します。
よくある呼吸法は、「やる方」しかアプローチしていない
よくある呼吸法は「やる方」にしかアプローチしていません。
「どうやって息を吸うか」あるいは「どうやって息を吐くか」にしか触れていません。
実は、「どうやって息を吸ったり吐いたりするか」の前に、身体では、余計なことをして、呼吸を制限してしまっていることがほとんどです。
これは、例えるなら、ブレーキを踏みっぱなしで、一生懸命アクセルを踏み込もうとしている状態です。
これでは、どんなに頑張って、呼吸法を試してみても、思うような成果は得られません。
ブレーキを外したら、そもそもそんなに頑張る必要はないかもしれません。
ですから、「どうやって呼吸をするか」という「やる方」にアプローチする前に、まずは「どうやって余計なことをやめるか」ということを考えてほしいのです。
アレクサンダーテクニーク的に呼吸を考えると
アレクサンダーテクニーク的に呼吸を考えると、まず大事なことは「やる」ことより「やめる」ことです。
呼吸するにあたって、一体何が余計なのかを知るためには、繰り返しになりますが、まずは、解剖学的に正しい呼吸を知る必要があります。
つまり、それ以外のことは、すべて余計なことです。
例えば、息を吸おうとして、肩が上がってしまう、とか、胸をそらしてしまう、とかは、呼吸には必要のない動作です。
呼吸をしようとして、呼吸には必要のない動作をしていると、それは呼吸を制限することになってしまいます。
ですから、余計なことしていることに気づいたら、それを手放しましょう、ということになります。
まとめ
アレクサンダーテクニーク的に呼吸を考えると、
- まず、解剖学的に正しい呼吸を理解する
- 次に、余計なことをやめていく
というプロセスで呼吸を改善することができます。
そうすることで、「思ったように息が吸えない」とか「ついつい息を止めてしまう」といった状況を抜け出し、今よりも楽に、自然な呼吸を身につけることができます。
なお、筆者の川浪は、音楽家専門アレクサンダーテクニーク講師として、これまでに1,000人以上の音楽家の方にレッスンを行っています。
呼吸の悩みを改善して、演奏に活かしたい、という方は、ぜひレッスン詳細をご覧ください。